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2年前の夏の日、アイドル志望の【彼女】は死んだ。
混雑した駅のホームで人の波に押し出され、電車に撥ねられた。
止まりきれない電車と正面衝突、即死だったと言う。
私はその場にいなかったが、翌日、【彼女】の兄からそう連絡があった。
当日、親族は各所の対応や絶望感に襲われ、【彼女】の友人に連絡するのが遅れたらしい。
翌日に連絡してくれただけでも有難かった。憔悴しきった【彼女】の親族、特に電話を掛けてくれた【彼女】の兄に心から感謝と弔意を伝えた。
この日を境に、私の中の【彼女】は全て過去形となった。
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