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寝落ちてしまう前にも見た、とにかく甘すぎますって注意したくなるくらいの、優しい顔をしたハルさんが天井を背景に眼前に映っている。
初めて会ったときは、怜悧な印象を受けて、どこか遠くて冷たいとまで感じたのに……
今はただただ、私のことを大事だって言ってくれている瞳が、ほかの何も見えないって顔で私を見ている。
「黙ってどこへ逃げるつもりだ?」
「に、逃げるなんてことは」
「隣にいてって言っただろ?」
「でも、ご飯を……」
「メシは……ん~。どうしようかな」
「どうしよう? ……ひゃあっ」
どうしようと言うハルさんにつられて言葉を繰り返そうとしたそのとき。
たった一枚だけで素肌を隠しているキャミソールがペラと捲られた。
「ハル、ハルさ……ぁ、んんっ」
捲られたと同時に、唇が胸の先を包んで突如私に襲いかかってきた。
あまりにも突然のことで、身構えることもできなかった私は、咄嗟に腕に力がこもったけれど、その腕ごとベッドの上に貼り付けられる。
べったりと、のり付けされたみたいに。
「やぁ、っ……あ、まっ……て」
「何?」
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