まどろみ2

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 何、じゃないです。と言いたいのに。  そう尋ねながらも巧みな指先が、今度は私のショーツを剥がしにかかっていて驚きのあまり目を見開いてしまう。  ハルさんは時々私にとっては予測不可能な動きをする。  いつもは理路整然としていて、間違ったことなんて一つも人生でしないってくらいテキパキと目標に応じた適切な動きをしているのに。  私の想像できないことが、主に今みたいな方面で起こることが多くなった。  こんなとき、私はどうすればいいんだろうって思うのに、ハルさんの動きが二手も三手も先だから、私は吐息を乱れさせてばかりになってしまっていつまでも追いつけない。    「ぁ、ん……っ、ハルさ、ご飯、を……っ、ああっ」  うだうだと考えている間に、どうやら何もかも剥ぎ取られてしまったらしい。  ハルさんの手管に負けてしまって、すっかり蜜をしたたらせている私のナカに、慣れ親しんだ手つきでハルさんの指先が潜り込んでくる。  その瞬間は、まだ馴染めそうになくて、いつも怖くてびくりとひくついてしまう。  でもそのたびに、緩慢で、ゆったりとした動きだけで指先を停滞させながら、顔中にキスの雨が落ちてくる。  
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