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それが嬉しすぎて、私はいつもおびえていた指先の動きを忘れてしまうのだ、一時的に―――
そうして気がついた時には。
「あん……んっ、や、ぁぁあっ」
意識の飛んでしまいそうな勢いで、指先に追い詰められて背中が緩やかにしなってしまうんだ。今みたいに。
「かの、欲しい?」
「やぁん、も、……ハル、さ……っ」
汗を額ににじませて、ちょっぴり怖い顔つきをちらつかせながら、ハルさんがいつも不思議な質問をしてくる。
私はもう何を言われているのか理解できていなくて、ハルさんの質問に追いつけていないのに、いつもそう尋ねては私を追い詰めていく。
お願い―――
わけが分からなくなって、助けを乞うようにそう口にすると、嬉しそうな顔をしてハルさんは頬にキスをくれる。
それからこそこそと何かをして、ってこれはアレを付けてるんだってことはようやく学んで。
――え? さっきしたのに!?
今になって状況に気がついた私は、どうやらまだまどろんでいたみたい。
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