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バラバラって音と、沈黙ってどっちが勝てるのか――なんてことを一瞬思ったけれど、どうやら私より彼の方が先に、謎の疑問を打破してくれるらしい。
「これって、霰ですかね?」
「え、雹じゃないんですか?」
雹だと思っていた私に、彼は霰ですか?と尋ねてきた。
思わず雹じゃないかと突っ込んでしまってから、そう言えばその違いってなんだろうと思い始めた。
「霰と雹って何が違うんでしたっけ?」
「……さぁ。何でしょうか?」
首を傾げてから彼に視線を向けると、同じタイミングで視線をよこしてくれていて、なんだかおかしくなって一緒に笑ってしまった。
「どっちにしろ。こんなの、降ると思わないですよね」
「ですね」
彼がこんなの、と指さしながら私を見るので、思わず同調した。
全世界、全年齢共通で、天気の話題ってネタになる。
不意にそんなことを思うと、くつくつと小さく笑いがこみ上げてきた。
どうでもいいけど、なんだかおかしい。
笑っている私を見ていておかしくなったのか、彼もくつくつと笑い出す気配がした。
距離にして1メートル弱。
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