それが雹でも霰でも

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 特段インパクトのある顔でもないのに、なんだか目力で押し切られてしまったような。  何も言い出せず、でも――と零すと  「今週金曜日、午後6時に。またここで」  「え?」  「予定、空いてますか?」    突然の質問に、一瞬予定表を頭の中で捲ってみて、大丈夫だと判断してコクコク頷くと、雲井さんに指でOKマークを作られてしまった。  あ、しまった。  と思ってももう遅い。  「お名前、聞いても良いですか?」  尋ねられて、突然、今更ながらにドキリとした。  なんだろう、名前なんてたいしたことないのに、急に心臓が慌てて稼働し始める。  「遠野(とおの)くるみ、です」  「遠野さんですね。了解。では来週!」  言い置いて、さっさと雲井さんは去ってしまった。  軒下に、私と、一枚の名刺を置いて。  「勢いすごっ」  妙な興奮と、小さなときめきと。  ここから何か始まるとか、そんなことまで期待してないけど。  でも、先勝な今日も、これはこれで良かったんじゃないかなって思ったりして。  「あ、虹だ」    思わず声に出ちゃうくらい、大きな虹が架かっている。   これも今日の副産物?

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