128人が本棚に入れています
本棚に追加 特段インパクトのある顔でもないのに、なんだか目力で押し切られてしまったような。
何も言い出せず、でも――と零すと
「今週金曜日、午後6時に。またここで」
「え?」
「予定、空いてますか?」
突然の質問に、一瞬予定表を頭の中で捲ってみて、大丈夫だと判断してコクコク頷くと、雲井さんに指でOKマークを作られてしまった。
あ、しまった。
と思ってももう遅い。
「お名前、聞いても良いですか?」
尋ねられて、突然、今更ながらにドキリとした。
なんだろう、名前なんてたいしたことないのに、急に心臓が慌てて稼働し始める。
「遠野くるみ、です」
「遠野さんですね。了解。では来週!」
言い置いて、さっさと雲井さんは去ってしまった。
軒下に、私と、一枚の名刺を置いて。
「勢いすごっ」
妙な興奮と、小さなときめきと。
ここから何か始まるとか、そんなことまで期待してないけど。
でも、先勝な今日も、これはこれで良かったんじゃないかなって思ったりして。
「あ、虹だ」
思わず声に出ちゃうくらい、大きな虹が架かっている。
これも今日の副産物?

最初のコメントを投稿しよう!