“恋愛高校”2

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──コロシアム、控え室。 「フン、来夢達の餌食になる運の悪いカップルはどいつらだ?」 「来夢ちゃん来夢ちゃん!終わったらた〜っぷりご・褒・美♡頂戴ね〜?♡」 「ぁあ、勿論だよ美弥…♡」 「…。」 …この2人は何時もこうなんだな…そんなに楽しいのかな…? 「ん?何だお前は?」 来夢さんがわたしの視線に気付いた。…わたし達の体操服を見て納得する。 「ぁあ、お前達か。来夢達の餌食になる不幸なバカップルは。」 …バカップルって、この人に言われたくないんですけど…!? 「…。」 来夢さんの言葉に沈黙で返す笑。“バカップル”と言う言葉を悪口と取るか褒め言葉と取るかで悩んでるんだろう。大体分かるようになった。 「後輩ちゃん達、よっろしっくね〜♡ 美弥はね、美弥って言うんだよ〜♡ 思う存分()って、蹴って罵って〜挙句の果てに放置して〜♡♡」 「や、辞めないか美弥…っ」 …この2人はこの10日間ずっとそうなのだろうか?…うわー、何それ超疲れそう…。 …何かちょっとだるいなーって思いながらコロシアムに入場。 …だって負けそうな戦いって何か嫌じゃない。 『1年生の皆さん、親睦会は楽しんでいますか〜? バトルの実況・解説は高山(タカヤマ)がお送りしています!一緒にパーティーを盛り上げて行きましょう〜っ♪』 …テンション高い先生だなぁ。保健体育の先生だからかな? 『さぁさぁ!今回の対決も面白いことになりそうだ〜!?』 ん? 『片やライムミヤコンビ、親密度5500!』 2ヶ月で200も増えてる…!?…て言うかこの先生ネーミングセンス無いっ! 『片やエミエミコンビ〜、その親密度、何と4500!!』 4500!?こっちは2ヶ月で1200も上がってるじゃん!?…あ、でもこれならちょっとは勝てそうかな…? 「フン、なかなかやるじゃないか。…お前達も幼馴染みか何かか?」 …も、ってことはこの2人幼馴染みなんだ。…え〜?ずっと昔からこうなの…? 「何だその、ドン引きするような目は。」 あ、バレた。 「たまんないよぉ〜♡♡ もっとドン引いて!その視線でぐさっと美弥を射抜いて!!」 …うわぁ〜。 「だから美弥、後輩の前ではもうちょっと我慢してくれないかっっ」 「はぁはぁ…っ♡♡」 …うわぁ〜…。 「絵美さん、そろそろ始まる筈ですが、お加減でも優れないので?」 「…ん〜、そう言う訳じゃないんだけど、何か気乗りしないなーって。」 …何と言うか、1年間掃除されてないプールを泳がされる気分? 「成程。そう言う時は私がぱーっと綺麗さっぱり片付けてしまうとしましょう。」 「…うんお願い…♪」 「言ったな!?」 おや聞こえてたか。 「来夢と美弥の絆を舐めるなよっ!!」 「ご褒美(お仕置)の為に頑張りまーす!!」 あ、ご褒美あるんだ、それ良いな〜…って良くないわ!!…ほんと何か嫌だこのコンビ…。 「いつでも来い。来夢と美弥は絶対に負けたりしないからなっっ」 「信頼が重い〜♡でも、ス・テ・キ♡♡」 …何だこの2人。いや、輪をかけて変なのは美弥さんだけなんだろうけど。 『いつでもは駄目ですよ〜、ちゃんとブザーを待って下さいね☆ では、レディー……ゴー!』 テ・テ・テ・テーーーン!! 「ふはははははーー」 手回しガトリングでライムミヤコンビを攻撃する笑。 「くっ!何だこの武器は!?反則じゃないのかっ!?」 『あーそれ良く言われるんですけど反則じゃ〜ないみたいなんですよ〜』 右に同じでーす。 「くっ!…てぇい!美弥の為…美弥の為!」 来夢さんが剣を振って弾丸を弾き始めた。…と言っても弾けてるのは全体の1/3くらいだけど。 「おや。弾道が読まれてしまいましたか。流石は上級生ですね。戦い慣れていらっしゃる♪」 「ぐ…美弥!?」 ガトリング砲が美弥さんの方を向く。 「きゃぅうううううん♡♡♡♡」 ダダダダダっと弾丸が美弥さんを狙い撃つ。…美弥さんは何故だか嬉しそうに悲鳴を上げている…まさか。 「美弥!?避けるんだ!そんなに食らってしまったらHPが…!!」 「だっで〜気゛持゛ぢ良ぐでやめられないんだも〜〜ん゛っ♡♡♡」 いや、マッサージチェアじゃないんだから…。 「くっ…かくなる上は!ごめん美弥!」 「えっ!?」 来夢さんが美弥さんを突き飛ばし、剣で弾を受ける。 「美弥は来夢が守るっ!!」 「来夢…ちゃん…」 ──あれ?これわたし達が悪役みたくない…? 「くっ…ぅううう… 美弥の為…美弥の為…!!」 「…。」 剣に弾丸が当たる度に大きく震える腕を、美弥さんの為と言い聞かせて堪える来夢さん…。…来夢さん、そこまで美弥さんのことが…。 「来夢ちゃん……」 その姿を見て、何かを決したかのような顔でこちらを見る美弥さん。 「…来夢ちゃんごめんっっ 美弥も、来夢ちゃんの為に頑張るから! …やーーっ!!!」 言って、棘の付いたハンマーのような武器を振り上げてこっちに走って来る…!! 「──絵美さんっ!!」 ガトリング砲を瞬時に鎌に変え、わたしの前に立ちはだかる笑…。 「笑…っ!」 「せぇええーーいっ!!!」 「やーーーっ!!!」 笑と美弥さんの武器がぶつかり合い…笑の大鎌が美弥さんの体を大きく斬り裂いた…。 「あ…れ……ごめん…ね…来夢、ちゃん…」 HPがゼロになり、か細い声で美弥さんがそう言い、地面に倒れた…。 「美弥っ!!」 わたし「美弥さんっ!!」 『だ、大丈夫ですよ〜!!この会場には保健室も用意されてますから!そこで鎮痛剤を貰って下さ〜い!!』 そっか、治るんだ…良かった…♪ 「…ねぇ、わたし達も保健室行かない?」 「お見舞い、ですか?」 「…うん。」 来夢さん「何をしに来た。」 コロシアム、第1保健室にて、ベッドに横たわる美弥さんを庇うように立ち、鬼のような形相で睨んで来る来夢さん…。 「え、えっと〜…」 「絵美さんは美弥先輩のお見舞いに来ただけです。それ以上でも、以下でもありません。」 「…そうか、お前は戦ってすらいなかったものな。」 うぐっっ。 「…まぁ良い。逃げられるよりは面倒が無くて良いからな。」 …逃げる? 「おいお前達、来夢達とバトルも含めた5競技で勝負しろ。」 「きゃう〜ん!!」 ぴーん!!と、それまで寝ていた美弥さんがベッドの上に立ち上がった。 「何それ物凄く辛そう!楽しそう〜!!♪ 終わったら5回分のご褒美、お仕置きくれるよね!?よね!?」 「み、美弥…高が電気ショックとは言えいくら何でも5回は体に悪いぞ……」 「う〜〜」 不満そうにごねる美弥さん。 「ど・う・し・て・も・駄・目?♡」 「うっ…美弥……」 美弥さんの可愛い笑顔に悩まされているらしい来夢さん… 「…分かった。 1競技につき1回、ご褒美/お仕置きタイムを設けることにするっっ」 折れちゃうの!?!? 「きゃう〜〜んっ♡来夢ちゃん大好きっ♡」 「えへへ……じゃない美弥っ 良いか美弥、お仕置きで痛くするとお仕置きにならないから、お仕置きの場合は弱くするっ!」 ご褒美の方を痛くしちゃうんだっ!?!? 「きゃう〜〜〜んっ!!それ良い!絶対良い!!美弥絶対頑張るわ〜ん!!」 「期せずして忠犬コンビが爆誕してしまいましたね…。」 ぼそっと耳打ちして来る(エミ)。 「そんなこと言ってる場合じゃないよ!どうしよう、笑!?」 「フン、どうしようも何もあるか。」 「来夢さん!?」 「…フン、お前達は知らないだろうが、元々“親睦会”のパーティーはこんな風に各種競技で競い合い、親密度の向上を図るものだからな。 最低でも5戦はしないと終わらせて貰えないんだぞ?」 わたし「え〜!?」 「えーじゃにゃい!!…えーじゃない!!」 美弥さん「ふ、ふふふ…♡あと5回もご褒美…ふふっ…♡」 わたし「…。」 もうやだよ親睦会…。あと8日とか絶対無理だって…!!
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