番外編2 ホワイトデーのお返しに side Kota

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ちゅっと音を立てて離れる。 「今度間違えたら、お仕置きだからな?」 「おしおき……」 「ああ。明日の朝に文句を言うなよ?」 俺が言わんとしている“お仕置き”がどんなものか悟った雪華は、顔を赤くする。 「ま…間違えない、から……」 「そうか?」 「……頑張る」 自信なさそうに呟いた彼女に、くくっと笑いが漏れる。「間違えてくれてもいいぞ」と言いながら頭をポンと軽く撫でると、「絶対間違えない」と意気込まれた。 こんな些細な遣り取りが楽しい。雪華といると飽きることがない。 「でも、これでも控えめにしているつもりだ」 唐突にそう言った俺に、彼女は「何のこと?」という顔で首を傾げる。 (そういうところが逐一可愛いのだが――) 分かってないのだろうな、と思う。 (それならそれで、ゆっくり分からせていくだけだな) 背中と腰に回した腕にぐっと力を込め、彼女の耳元で低く告げる。 「俺は雪華をもっと甘やかしたい」 「えっ!も、もっと…!?」 「ああ。だって―――」 (そろそろ我慢も限界か――) ゆっくりとソファーの上に押し倒す。 彼女の背が座面に着き、そこからサラリと髪が垂れ下がる。 目を丸くしている雪華の顔にゆっくりと顔を寄せ、唇が重なり合うその直前。 「妻を可愛がるのは夫の役目だろう」 彼女が目を見開く。それと同時に、噛みつくようにその唇を奪った。 【了】
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