第四章 思いがけない避難先

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「どうした?食べないのか?」 一向に食べ始めない私に気付いた高柳さんが、こちらに顔を向ける。 床に座った彼は、自然とソファーに座った私を見上げる形になる。背の高い彼から見下ろされることが日常の私は、この初めてのシチュエーションに心臓が更に暴れ出すのを抑えられない。 「そうだ、ビールも頂くよ。折角のビールが温くなってしまう」 彼はそう言うと、プシュっという良い音を立てて缶を空けると、私に差し出した。 「え、」 「飲むんだろ?」 「――はい」 手を伸ばしてそれを受け取ると、彼はもう一缶も同じように開け、こちらに向けて掲げる。 一瞬だけ間を空けてその意味を理解した私は、差し出された缶に自分の缶を近付けた。 「お疲れ様」 コツン、と缶と缶を触れ合わせたあと、彼はグッと缶をあおった。
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