第十章 決起会

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帰宅してからスマホにメッセージが入っていることに気付いた。高柳さんからだ。 【今日は遅くなる。夕飯は要らない】 それに【分かりました】と返信してからすぐにお風呂に入り、夕飯も食べずにベッドにもぐりこんだ。 (今頃さっきのひとと食事をしているのかも……) (常務のお嬢さんと結婚……) (次の休みにはここを出ないと……) 頭の中を色々な考えが浮かんでは消え、消えては浮かぶ。 全然眠気は訪れない。 無理矢理にでも寝てしまおうと瞼を閉じると、さっきの光景が瞼の裏に映し出される。 あまりの眠れなさに、思い切って方針転換することにした。 高柳さんが帰ってくるのを待っていよう。高柳さんが帰宅したら潔く聞いてみようと思う。 不確かなことに悶々とするくらいなら、ちゃんと確かめた方がすっきりするだろう。 (大丈夫。初めから分かっていたことよ……) 三か月前に戻るだけなのだ。何の不都合もない。 (大丈夫………私は一人で……大丈夫) その日、高柳さんは帰って来なかった。
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