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第一話 資料室の窓際
その日、調べ物をしようとした僕はいつものように図書室へ向かった。探しても見つからないので仲の良い司書さんに聞くと、
「あー……ごめんね、その本はここにはないかな。……もしかしたら、資料室にならあるかも」と返ってきた。
とりあえず資料室へ行こうと思い場所を尋ねると、司書さんは勉強熱心でえらいねと言いながら簡単な地図と3つの飴をくれた。お礼を言って、僕は図書室を後にした。
「……あの子に会うかな」
ぽつりと呟かれた司書さんの言葉は、去りゆく僕の背中には届かなかった。
司書さんのわかりやすい地図のおかげで、資料室はすぐに見つかった。
しかし、教えられなければ絶対に見つけられない、普段僕たちが使わない棟の隠されているような位置にそれはあった。本来なら最も僕たちが目にする必要のある施設なのに、どうしてこんな場所に置いてあるのだろう?
不思議に思いながら、僕は目の前の扉をガチャリと開いた。
「……誰?」
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