一万円札が死ぬほど嫌いな件について

1/1
前へ
/1ページ
次へ

一万円札が死ぬほど嫌いな件について

 金さえあればなんでもできる。  満漢全席、金銀財宝、酒池肉林。万物は万札に通ず。  人命さえ金で買えるこの世の中、日本銀行券こそ力。券はペンより強し。マスコミも買収して、買った正義で大手振って僕英雄。勝てば官軍、富豪が聖人。  清貧?  クソ食らえ。  清い貧しさなぞあるものか。  金欠は全てを奪う。借金してみろ。余裕も配慮もなにもなくなる。  銀行通帳の預金高は、現代社会のカーストだ。  所詮、二十一世紀も階級社会。貧乏人はブルジョアの靴舐めて生きていく。  さて、現代人のLvを示す紙切れ、万札。  奴の面には、大昔のお偉方の肖像が描かれている。彼はかつて言った。 「天は人の上に人を作らず。人の下に人を作らず」  いや。  お前が言うな。  別に諭吉に罪はないが。  一万円札にこんな反吐の出そうな理想論を囁かれているのを想像すると、むちゃくちゃにイラつく。  仮にも権利、権力の象徴だろう。 「貧乏人はたーんとモヤシでも購入してくださいまし。オーホッホッホッホ!」  くらいのクソ令嬢キャラでいてほしいものだ。  ここまで書いたが、福沢諭吉の例の名言には長々と続きがあるらしい。  そこを含めて要約すると、 「勉強しろ。おい、貧乏人、勉強サボってただろ」  ……これはこれで腹が立つ。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加