おとぎ話の英雄夫妻に見る結婚の考察

1/19
30人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
ある国のお話。  その国は西方に広がる深い森に生息するドラゴン族の存在に怯えながら、どうにか国を存続させていました。  しかしある時、とうとうドラゴン族がその国を滅ぼそうと大群を成して襲い掛かりました。  城下町はほとんど壊滅状態にまで追いつめられました。  それにひどく胸を痛めた王様は、民の命を守るため、王国軍から精鋭を募ってドラゴン討伐に乗り出しました。  ドラゴン族の圧倒的な力に苦戦を強いられた討伐隊でしたが、勇敢な戦士達によってついにドラゴン達を滅ぼすことに成功したのです。  100名以上いたはずの討伐隊は、わずか数名しか帰還することができませんでした。  国民は、故郷の土を踏むことのできなかった者達の死を嘆き悲しむと共に、過酷な状況を戦い抜き、無事に帰還した戦士達を英雄と崇めたのです。  その中の1人である騎士と女魔導士は、死と隣り合わせという過酷な状況下で確かな愛を育み、帰還後に結婚式を挙げました。  英雄である彼らの結婚は国民に大きな希望を与え、また見目麗しい2人が並んで歩く姿に、多くの若者が夢を抱きました。  そうして、騎士と魔導士は国民全員に祝福されながら、いつまでも末永く幸せに暮らしました。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!