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今度は一体何をする気なんだろうと思って見ていると、こたつの位置をずらし始めた。
こたつがあったところは、まだほんかわあたたかい。
けれど、そこにボーリングの玉のような黒い塊が半分くらい床に埋まっている。
「なにこれ!?」
僕がビックリして見ていると、アユがかばんからうちわによく似たものを取り出した。
「これは、くろだまって言うの。ほら、まさ君もこれで軽く叩いて!」
手渡されたうちわのようなものは、くにゃくにゃでまるで柔らかい下敷きみたいだった。
パタパタパタパタ、パタパタパタパタ。
リズミカルに球体を三人で叩き続けていると、そのたびに球体から黒い煙やほこりのようなものが出てくる。
部屋の中が暗くなってきた。
なんだこれ? 真っ黒で気持ち悪い。
息苦しくなって、鼻がムズムズする。喉がいがらっぽくて、変な咳が出てきた。
おまけに僕の手にもモヤモヤしたものがまとわりついている。
「ねえ、これいつまで続けるの?」
我慢しきれなくなって僕はアユに尋ねた。
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