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先生はマユを責めた。
どうしてそんな事をしたんだ?って。
でもマユは答えられなかった。
申し訳なくて、混乱して、後悔して。
そして先生が言ったんだ。
「ほら、そこに立ってよ。あなたがサツキちゃんにしたみたいに、押してあげるから。」
マユは足がすくんで立てなかった。
先生に背を向けられなかった。
ああ、私なんて事したんだろう…。
サツキはずっとこの恐怖に耐えてたんだ…って。
ふと視線を逸らすと、アカリとサツキは泣いていた。
下を向いて泣いていた。
マユは泣けなかった。
申し訳なくて。
自分が泣いても、サツキの人生は元に戻らないし、泣いたところで解決しないから。
あんたが泣いてどうするの?
って、責められる気がして…。
その後マユは心からサツキに謝った。
謝って許されるわけでもない。
でも謝るしか方法は無かったから。
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