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先生たちが帰った後、マユは両親と話をした。
もちろん怒られた。
父は「常に自分の行いを振り返って考えろ」と言った。
その時もマユは泣かなかった。
泣くという行為が出来なかった。
泣いたって意味がないと知っていたから。
泣いたら余計に怒られると思ったから。
次の日からサツキの両親とも話をした。
お母さんは余り責めなかった。
サツキに似て優しい人だった。
ただ悲しんでいた事はわかった。
仲が良いと思っていた友達が自分の子をいじめていたと知って。
お父さんはマユを責めたし、怒った。
マユにとってはそれは救いだった。
誰もマユを責めないし、怒らなかった。
申し訳なくて仕方が無いのに、それを向ける方向が分からなかったから。
だからひたすらに謝った。
反省した。
するとサツキのお父さんは許してくれた。
サツキ自身がマユを責めていなかったから。
サツキはマユを責めなかった。
サツキは酷く傷ついた筈だし、怖かった筈だ。
それなのに全くマユを責めなかった。
サツキはとても優しかった。
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