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試合後、
一緒に行く予定だった子が
家に来てくれて、
試合の事や、
打ち上げの話をしてくれた。
ボクなんかが、
打ち上げに行って良いのか悩んだけど、
来て欲しいと言われ、
行く事を決めた。
皆んなに申し訳なくて、
とても顔を合わせる気にならなかったが、
それを謝る為にも、
打ち上げは参加した。
それと、幼馴染みの後輩が来た。
後輩皆んなからの寄せ書きを持って来てくれた。
それだけだった。
顧問から連絡が来てもおかしくない。
そう思っていたのが間違いだったのかもしれない。
八月が終わって、
新学期が始まるまで顧問からは
何も連絡が来なかった。
新学期が始まると、
顧問は何とも形容しがたい、
怪訝そうな顔で
「体調大丈夫?」
とだけ聞いてきた。
引退試合を休んだ事、
責めても良いはずなのに、
試合の結果だとか、
説明があっても良かったんじゃないか?
思ったけどボクは何も言わなかった。
そのままボクは中学を卒業し、
引退後に部活に顔を見せに行く事もなかった。
部活の思い出は、
沢山の怪我の痛み。
怒られた事とその恐怖。
そしてあの褒め言葉。
あとは、バスケを選んだ後悔。
それだけだった。
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