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何故ならそれは、そっぽを向く彼女の表情を改めて観察してみればすぐに分かる。
一見、その表情はいつものように気怠げで不機嫌そうに見えるのだが、よく見ればその異変に誰でも気づく事が出来るだろう。
垂れているのだ。
鼻血が。
それもハッキリ、そして真っ直ぐに。
そして掴んでいた。
僕の腕を。
それもガッチリ、力を込めて。
(間違いない……!)
僕の疑惑はまさにこの瞬間、ハッキリ確信へと変わった。
(彼女もまた、こちら側の人間だ……ッ!
大人しそうな顔をしてるくせに何という……)
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