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あっという間に、ムフフ本の角の一端は音を立ててパチパチと燃え始める。
もちろん、そんな光景を実は喉から手が出るほどムフフ本を欲しがっている大鷹さんが見過ごすはずがない。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!
き、桐嶋くん! なんてことをっ!
気でも触れたんですか!?
頭でも沸いてるんですか!?」
大鷹さんは奇声をあげながらムフフ本を奪った。
そして目いっぱい息を吸い込み、
ふう! ふう! と火を消そうとしている。
だがやがて、不意にその動きが止まった。
なぜなら気付いたからだ。
今の自分の姿をおかしそうにニヤニヤと見つめる僕の視線に。
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