【シーズン1】 ホームタウンオブザデッド

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「◯月×日。 なんかあのクソ人間二人が扉の外で騒いでる。 命乞いにでもしに来たのかな?  今から『子供の助けをないがしろにした』子ども教育センターを先ずは訴えるところだったのに。 …………なんだって? 『ゾンビがでた』? おいおい、今日はエイプリルフールじゃないんだけど。 でも声がなんだか必死そうだ。 もう、本当に仕方がないな。部屋から一瞬だけ出てやるか。 一瞬だけだぞ? ウソついてごめんと謝ったら許してやる。 そして焼き殺した息子達を新しく買い直すこと!  分かった!? 」 …………ここで日記は終わっていた。 結局、子ども教育センターは動いてくれず、彼は部屋から出て、ゾンビの事態を知って両親と逃げたようだ。 無事逃れたのは不幸中の幸いだったけれど……。 「ラブロマに関する記述はなしか……」 もはやクセにもなりつつある今日8度目のため息を僕は長々とついた。 用済みとなった日記帳を近くのベッドへ雑に放り投げ、ラブロマ捜索の続きを再開させる——そのつもりだったのだが。 ベッドに放り投げ、こちらに持ち主の名前が書かれた裏面を向けた日記帳に、不意に目を奪われてしまった。 (何処かで見たような名前だ……) これがデジャヴ、という現象なのだろうか。 ふと脳裏にその日記帳に書かれた持ち主の名が引っ掛かる。 どこかで見たような……。 確かにどこかで…………。 「桐島くん桐島くん。 喜んで下さい。 ラブロマの10巻、戸棚にありました」 その時、リビングの方からやや興奮気味な大鷹さんの声が飛び込んできた。 「……えっ!? ホントですか!?」 僕は喜びのあまり、思わず日記帳を再びベッドの方へと放り投げてしまう。
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