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真相究明
事件から週をまたいで四日経った。
一応部活は活動しているが、やはりどこかギクシャクとした感じが否めない。
女子バスケ部が疑心暗鬼になっている中、佐保は資料室の椅子に腕を組み、目を閉じて座っていた。事件について、ある人物に話を聞くためである。
コンコン、と資料室のドアがノックされた。
「どうぞ」
佐保が言うと、ドアの向こうから女子バスケ部の部員がひょこっと顔を出した。
女子バスケ部二年、井上千夏であった。
「お疲れ様です、先生」
「…あぁ、座ってくれ」
佐保は井上に促した。おずおずと席に着く井上。二人の間に沈黙が流れた。
「…呼び出した件について、大体わかってると思うが」
「お金の件…ですよね」
佐保の言葉を引き継ぐように井上が言う。
「…そうだ。その件で、お前に聞きたいことがある」
佐保は腕組みを解き、体を前に倒して机の上に手を組んだ。
「井上は、本当に部室の鍵を閉めたんだな?」
「勿論です!閉めました!」
井上は声を張り上げる。
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