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時系列
「これは確かなのか?」
「はい。元々部員も多くない部活ですから、マネージャーも大体覚えていますし。井上と堀内に関しては私も確認しています」
「なるほど…一旦整理してみよう。当日のスケジュールを教えてくれ」
佐保が提案すると、津川は首肯しながらメモをめくった。
「あの日は私が鍵を取りに行きました。午後4時前くらいです。そして皆が準備し終わり、部室に鍵をかけたのが午後4時15分頃。そこからは普通に練習をしていました」
普段となんら変わりない内容だ。特段不審な点はない。
「5時頃に委員会活動で遅くなった堀内と井上が練習場に来ました。鍵を持って行ったのがその時です」
「…少し怪しい気もするな。堀内と井上が共犯だったり?」
そう言うと、津川がちらりと佐保を見た。部員を疑う顧問に嫌気がさしたのだろうかと、佐保は怖くなる。
しかし津川は淡々と続けた。
「いえ、証人がいます。岩野です」
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