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「本当にそのあと鍵を借りたものは居なかったのか?」
「はい、居ませんでした。しかし、それから途中で部を抜けたものが二名」
「それは?」
佐保が聞くと、津川はまたメモをめくった。
「…坂本と井上ですね」
津川の差し出したメモに
坂本 美穂
井上 千夏
と書かれている。
「この二人はどんな用事で?」
「井上は5時30分くらいの休憩でトイレに。坂本は練習中の突き指で保健室に行きました。5時40分くらいでした」
「よく覚えてるな」
佐保は素直に感心する。
「さっきも言いましたが部員数が多くありませんので、人の動きはわかりやすいのです。それに、部活中は練習場から出ること自体が稀ですし」
「なるほどねぇ…」
井上が二回目の登場か。まぁ、今の段階ではなんとも言えないな。
「坂本が戻ってきたのは6時頃、井上は5時35分くらいに戻ってきたと思います」
坂本に関しては学校医の先生に尋ねればわかるかな。井上は…まぁ五分もあれば部室には行けるが…。
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