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side 涼太
新着メッセージアリ
LHRが始まって直ぐにポケットの中で振動した携帯を
バレないようにコッソリ覗き見る
[雨宮、体育祭実行委員に手挙げたぞ]
メッセージをくれたのはバスケット部のキャプテン
[感謝]大袈裟なスタンプを送信して顔を上げれば
「先ずは体育祭の実行委員決めからね」
担任の先生が説明しながら
黒板に委員二名と書いたところだった
「やりますっ」
一番後ろの席で手を挙げて立ち上がった俺に
クラス全員の視線が集まった
「えーーっ」
「じゃあ女子やるー」
「あたしよっ」
「お願いっ」
間髪入れずに女子が騒ぎ立てるから
「ジャンケンしなさ〜い」
担任が呆れたように笑った
「男子は古崎君ね、ありがとう
早速今日の放課後委員会があるの
出られそう?」
「はい、大丈夫です」
クラスの騒つきが気にならないほど
高鳴る胸にそっと手を当てた
ん?・・・なんか変だって?
説明しよう!
実はキャプテンに動向を報告して欲しいとお願いしていた“雨宮さん”は
俺の初恋の人
そして・・・
それは現在進行形で大好きな人
出会った時は中学校に上がりたての12歳で
147センチしかなかったチビの俺
女子バスケット部の副キャプテンだった眞子先輩とは
10センチ程の身長差があった
なんとか近づきたい一心で
毎日毎日まとわりついて
結果・・・
「涼太ぁ〜〜」
可愛がってもらえるようになった
そう・・・
癖っ毛の髪をワシャワシャとかき回し
近づいてくれる眞子先輩は
いつも柔軟剤の香りと別に
甘くて良い匂いがした
俺は眞子先輩が大好きなのに
眞子先輩は全然眼中にないみたいで
「涼太、半分食べる?」
って食べかけのアイスをくれたり
「ほら、汗っ」
って眞子先輩の首にかかるタオルで俺をガシガシ拭いてくれたり
ニコッって笑いかけるたび
「涼太可愛いーーーーっ」
って抱きついてくれる
いくらチビでも男だっつーの
ドキドキして真っ赤になる俺に
全く気づかない眞子先輩に振り回される毎日は楽しくて
大好きって想いは
日に日にデッカクなった
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