ワンコ攻めてくる

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「・・・っ」 大袈裟に肩を揺らしたところで 「眞子、おは〜って、え?」 隣に並んだ知夏は 「どうしたの?」 私の顔を見て心配そうに聞いた なんでもないって言いたいのに ドキドキした気分は唇を開いてはくれなくて ブンブンと頭を振るだけで精一杯 涼太に過剰反応したなんて知られたら 知夏に茶化されて大変なんだもん そんな挙動不審の私の後ろから 「知夏先輩?」 涼太が間合いを詰めてきた 「え?・・・誰?」 涼太を見上げる知夏の表情は探るように眉根を寄せている 「涼太です、男バスの古崎涼太です」 「えーーー涼太なの?嘘〜 背が伸びてイケメンになってるー」 興奮した知夏は三年振りの再会に テンションが上がっている 「知夏先輩もココから乗るんですね」 「うんそう・・・って、え?」 鳩豆顔になった知夏は 目敏く涼太の言葉に食いついた 「私もって?」 鋭すぎる・・・ヤバイ そう思った時には手遅れで 「眞子先輩もココからだから」 「ふーん、涼太もココなの? 今まで会わなかったよね?」 もう知夏の顔は探偵並みに鋭くて 「いや、俺は電車で」 「ん?」 「ココは眞子先輩を迎えに来たから」 慌てる私をよそに涼しい顔で バラシやがったーーーーっっ 「ふ〜〜〜ん、眞子を迎えにねぇ」 「ほら、あの、昨日さ 体育祭の委員になったじゃん? そこで涼太と会ったんだよっ」 慌てて涼太がココに来た理由を説明してみたけれど 「会っただけでは迎えには来ないよね〜」 クスクスと笑った知夏に 涼太は今日イチの爆弾を投下した 「眞子先輩の記憶を塗り替える為に 付き纏うことにしたんです」 ニッコリ笑った涼太は あどけないほど可愛い表情をしていて また心臓がトクンと跳ねた
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