ワンコ告白する

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side 涼太 突然降り出したゲリラ豪雨の所為で 眞子先輩の家にお邪魔することになった俺 びしょ濡れの眞子先輩は濡れた髪が揺れるたびゾクリとするほど色気が立って目を合わせることができない そんな 隣で立つ眞子先輩を見ているだけで ダラシなく頬が緩むのがわかる それを悟られないように 注意しながら エレベーターのランプを見つめた □□□ 今日は俺の作戦通りに朝も昼も連れ出すことに成功したはずが お昼の噴水ベンチで邪魔が入った 確か“ただの”クラスメイトの飯田さんは不機嫌に登場すると 混乱する眞子先輩を急かして お弁当を食べさせるとそのまま連れて行った ・・・ムカつく 『涼太、またね?』 首を傾げて困った顔をする眞子先輩に ほんとは『また』と返したかったけれど アイツが居るから感情が揺れて 結局、何も言わずに俯いてしまった クソーーーーーーッッ “ただの”クラスメイトのくせに 眞子先輩を連れ去るなんて 俺と居ると変な噂が立つってなんだよ 苛々する気分を青い空に飛ばして 下校はアイツより先に連れ出してやると心に決めた
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