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side 飯田元輝
「よっしゃ〜〜」
体育祭の役員決めのジャンケンで
勝った瞬間
渾身のガッツポーズが炸裂した
体育祭の実行委員なんて本当はやりたくない
だって面倒だし雑用だし裏方だし
お日様の下で身体を動かしたい俺としては一番避けたい役割
それをジャンケンしてまで欲しがったのは
俺の一つ前の席に座る雨宮眞子の隣に立ちたいからだ
雨宮は桐葉学園に入った3歳児モモ組さんの頃から
ずっと口説き続けている女で
もちろん高校三年生になった今でも
彼女にしてやる気満々は変わっていない
透き通るような真っ白な肌に
対照的な真っ黒のストレートの長い髪
少し垂れ目の大きな瞳の下には
可愛らしい泣きぼくろがひとつある
今まで数多の男子生徒がアタックして玉砕してきたのを目の当たりにしてきた
いつも呼び出される度
締め付けられそうになる胸は
「断った」と軽く話す雨宮の言葉に浮き沈みを繰り返す
狙ってる奴は多いけれど
当の本人は男に興味が無いのかと疑うくらい告白を断り続ける
その理由『両思いじゃなきゃ嫌なの』
ひょんなきっかけで聞くことになった俺は
こうやって飽きもせず
毎日毎日ちょっかい掛けては口説き続けている
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