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「雨宮〜、役員カップル誕生〜」
席に戻ってそう声を上げ
抱き着こうと両手を広げた・・・
までは良かったのに
予感がしたのか薄く振り返った雨宮は
血相を変えて立ち上がると何歩か後退りした
「ば、馬鹿言うんじゃ、ないわよ」
そう言った雨宮の頬は赤く染まっていて
めちゃくちゃ可愛い
「お〜、照れちゃって」
そうやって俺を意識して俺にだけ可愛い顔を見せてろと
内心ほくそ笑んでいれば
雨宮は真っ赤な顔のまま
潤んだ瞳に眉根を寄せた
「「「っっ!」」」
破壊力抜群のその瞳に
このままだと「好き」と抱きつきそうで急いで逸らした
急速に強く打ち始める心臓を庇うように胸を押さえると
図らずもそんな雨宮を見てしまった周りの男どもも同じように
顔を逸らして胸に手を当てていた
クソーーーーーーっっ
敵が多いのは中学の頃から知ってるが
これ程までに多いとは・・・
下心丸出しの自分を棚上げして
「お前ら見んな」
理不尽に言い放つと
「飯田のと決まってないだろ」
小さな声が聞こえた
・・・ま、確かにそう
これまで何度告っても軽く流されて
俺の思いが叶うことはなかった
だが、今年の俺はちょっと違う!
なんとか高校の内に雨宮を彼女にする
大きな目標を掲げている俺に
「じゃあ、飯田と雨宮
前に出て仕切ってくれ」
担任が嬉しい一言を告げた
さぁ、見てろよ
押して押して押しまくるからな
side out
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