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プロローグ
玄関脇に鎮座する大きな鏡の前で2ターン
真っ黒ストレートの髪はハネることなくサラサラ
乾燥しがちな唇は透明リップで対策済み
制服もシワもヨレもなくてバッチリ
「よしっ」
通学鞄を持つと玄関ドアを開いた
* * *
「おはよ〜」
「眞子おは〜」
バスの停留所に着くと親友の相沢知夏が先に到着していた
「また同じクラスだと良いなぁ」
「ほんと」
ウエーブのかかったハニーブラウンの髪を人差し指に巻き付けながらパチパチと瞬きをする知夏とは
幼稚園の入園式で隣に座ってからの仲で
幼稚園をお受験すると、よっぽどじゃない限り
自動的に小学校、中学校、高校、大学とエスカレーター式に進む桐葉学園に通う私達は今日から高校三年生
郊外にある桐葉学園へは駅前からスクールバスで通っている
「今日は始業式だけだよね?」
「うん」
「じゃあ帰りにカラオケ行こ〜」
まだ学校へも着いていない内から
放課後のカラオケ店へ気分を飛ばした知夏は
「あ゛〜ぁっ、バス来たよ」
我らが[桐葉学園]のスクールバスを視界に入れた途端
心底嫌そうな顔をした
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