青色の宝石

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 ここは、昔 津波に襲われて沈んだ小さな島があった場所。  島は、何千年かに一度、海から顔をだすと言われている。 「きれい…!」 日菜が船の甲板から身を乗り出した。 キラキラと太陽の光を反射する海面。 日菜には海が青くきれいな宝石に見えた。 「到着ー!」 日菜は中学二年生。夏休みで旅行中。 「おい、はぐれるなよ。」 父が言う。 「は~い。」 その声から危機感は全く感じられない。 「ぜってー聞いてねーな…」 日菜の後ろで弟の竜一が呟く。 竜一は、小学六年生。 「お前もだぞ竜一。」 「俺は、日菜みたいに変なところ行ったりしねーし。」 竜一はそっぽを向いて答える。 「あんたねぇ!私が聞いてないとでも思った?」 「ゲッ…!」 日菜の家族は4人。母、父、日菜、竜一。 「日菜、竜一!こんなところでケンカしないの!」 母が怒る。 「…まだしてねーし…。」
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