私の胸

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非日常の日常 今はそう表現すべきなのか 未曽有 という言葉がワイドショーで取り上げられていたあの頃よりもはるかに想定外の現実が、文章に矛盾をはらませている。 劣化する心身で居て、更に今だ推測の域ながら、これは恐らく惨劇の始まりに過ぎない黎明期の非日常を垣間見ている狭間なのかもしれない。 久方ぶりに他者と腹を割って話した。 私にしては貴重な存在である。 簡潔に言うとお互いベストを尽くして「生きましょう」 という話に終わった ベストとは? 今の自分はワースト 人生の中でも最も最低な時間を過ごしている せめて考え方は改めよう そう決心した 貴重となった時間が惜しくなり 其の為に何もしたくなくなる という無気力試合 いや試合にすら成っておらぬ 果たして生きていると言えるのか と再た問う 他人との接触を過度に制限している事は賢明と言えば賢明 長く生き延びる事を第一に考えていることも間違ってはいまい だがもっとやり方がある筈だ 生き甲斐とは? 生存とは? 人生とは? 自分の集大成がこうであって良いのか? 本当にこのように 無様であって良いのか 我に問う 自分にとっての究極とは? 足を停める 停めながら生きる様を過ごして 各々の思惑が現世を過る 二の足  三の足を踏み漂う様 暮れて経てして 時は過ぎゆく 惜しまれずとも 胸を庇って
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