私の胸

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昨晩 流行っている近所の洋菓子屋のウィンドウに 「早く元の生活に戻れますように」 と書かれているのを見て ああ今現在は確かに異常な事態で ひょっとしたらもう元には戻れないのかもしれない と出歩く人も自分もマスクをして家路へと向かう姿に恐怖した。 夢の中ぐらいは疫病のない世界に と思っていたがゆうべ観た夢の世界もウィルスが蔓延した世界だった。 男がホモになるウィルス 男性が女性と接触することがなくなり、経済が崩壊 少子化ではなく無子化 の社会となった いやあ酷い夢だった と夢から醒めたら なんと現実のほうが酷かった という 高熱で男性は無精子化する場合があるのよね 鹿児島は 確認されている患者が少なく、まだどこか他人事 という側面があるのかもしれない 「正常性バイアス」 という言葉 簡単に言えば これまで自分が積み重ねてきたもの 、習慣、やりたいことを失うことが怖くて現実を受け入れられない みたいなことも もしかしたらあるのかな?と 元中国共産党幹部だったジャーナリストの方の動画から 「超限戦」 という論文が存在していた事を知る 1999年のもの 1999年と言えば 大学で中国をはじめとする歴史学の研究を怠り、北九州のベース弾きのお姉さんと天神で日本酒片手に洋楽談義に勤しんでいた頃だ。 或る友人から私は宇多田ヒカルより勉強していない と皮肉られていたわけだが 私が勉強しようがしまいが 日本の軍事研究所や世界中の軍事学研究所の人間がいくら研究しようがしまいが 現に2020年(正確には2019年)に超限戦(見えない戦争)は計画通りに表面化しつつあるわけで それならたった一人の女性を楽しませていた事実のほうが 私にとっては随分価値があったと感じる 「もし元の生活に戻れないとしたら?」 と仮定して考えた 悔いのない1日を そう考えると、楽しみは音楽を聴くこと、魚介類を食べることぐらいか そう言えば1999年と言えばノストラダムスの大予言の年だった。 あれは計画ではなく予言 詩 当時の文芸書みたいなもので全く意に介して居なかった。 現在は予言ではなく恐らく軍事計画であるから、私も遅れながらこのウィルスの危険性を察知し始め 消極的に警鐘を促してきた 結局は自己判断 であり 自分の力では他者を守りきる能力はないので余り他言しないようにした 広く流布しようとさしたところで自分は魅力、というか人気に欠けるから 異端視されるだけ無駄骨である 得意な人は居ないと思うが私は人の死に直面するのがとても苦手だ 私の友人は私より賢明であるので 私ごときがでしゃばらずともこの難局を乗りきって家族を守るであろう めぞん一刻のこずえちゃんを観ているので自分の過去の選択について非常に胸が痛い 私のガールフレンドも彼女が休みの毎週月曜日、私の職場天神まで手作りのお弁当を電車で二時間かけて届けてくれていたのである ただの友達にここまではすまい。 その事実に気づかないふりをしていた 彼女の献身の延長戦上に結婚という責任があって 自分にはその責任を全うする自信も能力も体力もない 将来なくなる そして一方でもう一人関係が出来た女性が居た 結果的に言えば 恐らく両方の女性も幸せな家庭を築いているだろう 何ら気にやむ必要はないと思う 賞味期限が切れてからも 考えてみれば女性関係が全くなかったわけではなく 私とセックスして下さいと仰る未亡人も居た 私は五代くんと全く同じ台詞を口にした 「もっと自分を大事にしたほうがいい」 本音は先立たれた旦那さんの代わりの慰み者にされたくはない というものだった ものは言い様 優しさに欠けるが相応の配慮はしたつもりだった たしかその後良縁があって幸せな家庭を築いておられる筈である 私が女性から離れると その女性は幸せになれる それは事実である 自分は好んで人を害したりすることはないが 根は陰気で 悪鬼羅刹のような側面があり それがどうしようが人を遠ざける結果となっていると分析する 私の母は友達が零で愛人しかいなかった 自分が正しく優しくいようがいるまいがどのみち人に疎まれるならば 愛人がいる分だけ母のほうがましなのではないか 面倒臭く気難しい奴 思えば近年最も楽しかった女性関係の思い出は 文芸仲間と毎夜毎夜ワールドカップの実況を観ながら政治への皮肉談義をしていた時間が最も有意義な時間だったと回想す 悪鬼羅刹の似た者同士 女性に優しくするのは難しい 幸せにするのは最も難しい このへんが悔いといえば悔いになるのであろうが 自己完結型なので悩みという類いではない 素養 というか才覚の問題 努力しようがするまいが 彼(そ)はウィルスの様に棘を持ち 今現在 ないほうがいいに決まっているが日本での感染例 実例が私にはまだ不透明で 今後自分の人生にどう作用していくのは不明である ただ中国共産党ごときに殺されたくはない 折角長年生きてきたのだから という気持ちが芯である 一方でこの絶望的な実害が迫るこの世界でも 笑い 楽しみ 他人を愛し 他者と楽しくあろうとする人々に救われる この疫病と最前線で戦う人もいらっしゃる 私にできる事はとにもかくにも生き延びようとする意思 悪鬼羅刹の無様な素養であったとしても、稀に人に役立てる時があった この先、人の助けになれる自信はないが 状況が許すならば微力な優しさを垣間見せる場合もあろう 私にとっては他人との距離感は非常に重要で 濃厚接触などもっての他である 私の胸はとても脆い
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