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折檻
着いたのは社長が数個借りているマンションのひとつ。
ここに連れてこられたということは…折檻。
でも罰を受けるほどの失敗をしただろうか。
今日の社長はよくわからない。
昔ここで社長に調教されて今の俺になった。
「どうした?降りろ」
助手席から動けない俺を不審げに見ながらせかす。
「…すいません、なんか‥だるくて…」
社長は滑り落ちるように席を離れる俺を抱きとめて、カバンを肩にかけてドアを閉めた。
あの薬が切れたのか、だるくて動けない。
離脱状態が耐えられなくなったらおいで、山中はそう言っていた。
今の俺がまさにそうなのだが自分で動けないのにどうしろっていうんだ。
人に支えてもらってやっと立っている状態。
でも薬効は徐々に消えそうだ。今の俺がそうだから。
この状態を耐えきればなんとかなる。
それが無理だったら、薬欲しさに山中に利用される立場だった。
倦怠感は我慢できそうだが、ほかの刺激が欲しくてたまらない。
頭の中できのうの事が何回もフラッシュバックして、思い出すたび体がうずいた。
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