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罠
どこの企業も秘密が漏洩するのを防ぐために最大限警戒するが、情報を持ち出してライバル会社に転職する輩は一定数いる。
送り込まれる者、裏切り者、立場は違うが厄介なのは変わらない。
竹田製薬社長直属の俺・飯田春馬は26歳ながらそれを潰す難しい仕事をしていた。
今回の仕事は企業秘密を持ち出して大内製薬に鞍替えした・山中怜士。
奪われた情報を取り戻して、本人を社会的に抹殺する。
35歳でプロジェクトチームを任されていたが突然姿を消した。個人的にはそのほうが気になった。
「元社員だし、君の事はわかるよ」
俺はビル清掃の契約社員として大内製薬の本社ビルに潜り込んでいた。
ゴミ箱は情報の宝庫だったりする。
社員は掃除係なんて目に入らない。そこを利用して社内を自由に動き回る。
山中を見つけるのは簡単だったが、向こうが俺に罠をはっていることは予想外だった。
「コレ、まだ治験にまわしてない」
その「コレ」を直腸から入れられて俺は山中の研究室の床に転がされている。
「ぅ…」
「今どんな感じ?」
深夜、全裸の俺を見下ろして笑顔で聞いてきた。
「君が2番めの治験者だ、飯田春馬クン」
山中の舌が裸の俺を滑っていき、思わず体をくねらせる。
「ぁ…んぅ…」
「抗うつ薬として作ったのに、副作用が強すぎた。せっかく竹田製薬の新薬情報として持ち出したんだけどね」
白衣を来たまま俺の体にまたがって俺の性感帯を探るように舌を動かす。その刺激だけであっけなく白い液体を撒き散らした。
「ちなみに1番めは俺」
山中の呟きは達した精神には響かなかった。
「俺、男の体って興味あるんだよね」
いつのまにか下を脱いだ山中が俺の腰に手を添えていた。
「いただきます」
「…っ…ん…」
俺は目を閉じてゆっくり入ってくる圧を締め付けた。
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