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次に視界に写ったのは立ったままキーボードを操作している山中の姿だった。 俺はいつの間にか作業服を着せられて、椅子に座っている。 「目ぇ覚めた?」 山中は白衣姿で俺を背にしたまま、何か作業していた。 「手ぶらで帰るわけにはいかないだろう?俺が持ってきた資料、少し返すわ」 後ろ姿でも、引き締まった体なのはわかる。 この男に抱かれた、そう思うだけでまた勃ちそうになった。 個人的な感情はなく、業務だから動いているだけの俺はこの仕事に使命感など感じていない。 それを見抜いたのか山中は笑顔でこちらを向く。 「そのクスリ、離脱症状がきついから、欲しくなったらまたおいで」 手のひらにそっとUSBを握らせて首筋にキスしてきた。 「もう、しつこい」 「返してあげるから、何か持ってきて」 「…2重スパイしろってこと?」 俺の質問には答えず、すっと耳元に近づいて悪魔の囁きをする。 「俺が欲しかったらまたおいで」 冗談じゃない、そう思って荒々しく椅子から立ち上がった。
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