清姫とロングカーディガン

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「は、はい」  私は緊張を伴う声で席を立った。女子にしては無駄に高い、一七〇センチという身長で、背中をピン! と伸ばす。  教壇のところまで、歩いて行く。 「村井さん、凄いな。村井さんだけや。百点」  三十近く、私と同じくらいの身長の背広がブカブカの男性教師は、テスト用紙を満面の笑みで渡してくれた。  先週新学期早々行われた、実力テストが返って来た。  数学で私は百点をとってしまったようだ。 「すごーい!」 「流石、村井製菓の社長の孫やな!」
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