10/14
前へ
/469ページ
次へ
西に向き始めた強烈な陽差しの眩しさに目を細めながら、道を歩く。姫路城へ向かって外国人観光客が歩いて行く。真っ正面に見える貫禄のある姫路城は暑さの中でも大きく構え、今日も観光客を迎えていた。 (綺麗になった、か……)  嬉しさとくすぐったさ、そして不思議な気持ちを抱えながら帰路を軽い足取りで辿った。  帰宅すると母が待ち構えていた。 「お帰り」  かなり強い意を決したような眼差しを向けてくる。少し眉を八の字にさせ、リビングのテーブルに腰掛ける。私もその前に座った。
/469ページ

最初のコメントを投稿しよう!

241人が本棚に入れています
本棚に追加