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まずい、このままじゃ倒れる…!
とっさに横にあった電信柱を掴み、身体を支える。
身体は重力に逆らえず、柱に手をついたまましゃがみ込んだ。
少しすると白かったはずの視界が、足元の水たまりを映し出し、ホッと息を吐いた。
…寒い。
寒くて、痛い。
痛いのは刺すような雨のせいだけではない。
胸が…心が痛い。
胸が誰かに掴まれているようにぎゅっとする。
…苦しい。
震えが止まらない。
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