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父は私たち姉妹のことを小さい時から可愛がってくれて、休みの日にはあちこち連れて行ってくれた。
年に一度は必ず家族旅行に行ったし、日曜日のお昼にはよくご飯を作ってくれた。
父が作る炒飯は母のものよりも少しべちゃっとしていて…
ある時それを指摘すると眉尻を下げて悲しそうな顔したので、子どもながらに申し訳なく思い、次からは「美味しい」を連呼しながらその炒飯を食べていたのだ。
私たちは仲の良い、幸せな家族だった。
だからこそ父が不倫したと聞いたときは心底信じられなくて…
更に私たちを捨てて不倫相手の元に行くと聞いた時には怒りでいっぱいだった。
家族を壊した父親はもちろん…相手の女性に対しても憎しみが止まらず、2人を恨んだ。
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