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ー 翔太に出会ったのは1年と少し前。 紅葉の見頃も終盤を迎えた頃。 社会人1年目だった私は、週末のどうしても人手が足りない時に限り、大学生の時にバイトしていたイタリアンバルを手伝っていた。 店長に泣き付かれて1ヶ月ぶりに出勤した日の夜、紺色のスーツを着た細身の男性に声をかけられた。 それが翔太だった。 「ねぇ、今日何時に上がるの? この後俺と飲みに行かない?」 酔っ払いに声をかけられることは特別珍しいことでもなかったので、いつも通り愛想笑いでやり過ごしていた。 カウンターに座っていた翔太はそれ以降も何度もこちらを伺っていたが、ラストオーダーの少し前に帰って行った。 ……軽そうな男。 それが最初に翔太に抱いた印象。 その後、私は上がりの時間を迎え、店長に何度もお礼を言われながら店の外に出た。
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