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そこから何度かデートを重ね、バレンタインデーの2日前、私たちは付き合うことになった。
お互いの仕事終わりに待ち合わせてご飯を食べに行ったり、どちらかの部屋に泊まりに行ったり…
休日には遠出して一日遊んだりもした。
翔太は明るくて、いつも笑顔で、口下手な私の話も最後まできちんと聞いてくれた。
翔太と付き合えて私は幸せだった。
…まさか既婚者だなんて考えたこともなかった。
翔太は指輪なんてしていなかったし、家族がいるそぶりを見せたこともなかった。
部屋は如何にも男の一人暮らしといった感じのワンルームで、家族の存在を仄めかすようなものも見たことがない。
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