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目から溢れ出た雫が頬をつたう。
頭上から降り注ぐ冷たい雨と異なり、その雫は熱かった。
…泣いちゃいけない。
私は加害者なんだから。
だけど…
今だけは許してほしい。
雨に打たれ続けているお陰で頭からつま先まで全身びしょ濡れ状態。
着ているコートもかなりの水分を含んでいるのだろう、身体が重い。
体の至る所から水滴が流れ落ちている。
…これだと涙か雨か分からない。
だから今だけ。
…雨と一緒にこの悲しみも流れていけばいいのに。
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