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「ただいま。」 玄関でレジ袋を下ろし、傘を畳んで靴箱の上にひっかける。 靴を脱いで廊下に備え付けられているキッチンのシンクの上にレジ袋を置くと、そのまま突き当たりのドアを開けた。 「……お帰り。」 スーツ姿のまま、ソファーに座っていた翔太は私を一瞥しただけで目を合わせようとしなかった。 「翔太?どうかした?」 いつも翔太はニコニコ笑って私を出迎えてくれる。 その彼が立ち上がったかと思うと浮かない表情でこちらを見つめている。 何か嫌な予感がした。 「ねぇ、何かあったの?」 「………」 「翔太?」 彼の腕を揺さぶると、ゆっくりと口を開いた。 「響、別れよう。」
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