冷たい雨が降る夜に

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一階のエントランスは広々としていて、白いソファーが間隔を開けていくつか並べられている。

その脇にある小ぶりなガラス製のテーブルには花が飾られていた。

主任ってばこんなオシャレなところに住んでるんだ…なんか意外…

ボーッとする頭でそんなことを考えていると2機ある内、左のエレベーターが「ポン」と音を立てて開いた。

エレベーターに乗っても主任は私の肩を抱いたまま。

…普段こんな近距離で接することがないのでなんだか気恥ずかしい。

腕の中からちらりと主任を見上げると、私の方に傘を寄せていてくれたのだろう、主任の髪からは水が滴り落ちていてコートもだいぶ濡れてしまっている。