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とっさのことで私は翔太が口にした言葉を理解することができなかった。
別れよう?
…まさか。
何か聞き間違えたのかも。
「…今なんて言った?」
「…俺たち別れよう。」
別れる…?
私と翔太が?
一体なんの冗談だと言うのだろう。
「どういうこと?
あ、もしかしてドッキリとか?
だって今日一年記念…」
「響、俺と別れてくれ。」
翔太は私の言葉を遮るようにそう言い、頭を下げた。
「ごめん。
ずっと黙ってたけど……
俺には家族がいるんだ。」
え……
どういうこと?
「…家族?」
「嫁と2歳になる子どもがいる。」
「……え?」
嫁と子どもがいる?
…どういうこと?
全く頭がついていかない。
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