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「…どうして?
結婚してるなんて…既婚者なんて一言も言ってなかったじゃん。
どうして奥さんがいること隠してたの?
奥さんがいるのに…私と付き合ってたの?」
自分でも声が震えているのが分かる。
手足の先端が冷たくなっていき、全身から血の気が引いていく。
「…悪かった。
初めから期限付きで来月には向こうに帰ることが決まってたんだ。
だから…」
「だから…何?」
聞かなくても分かる。
ー ほんの遊びのつもりだった。
俺には家族がいる。
だから別れて欲しい。
「分かった。」
気づいた時には口が勝手にそう動いていた。
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