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自宅に帰ろうにもこんな濡れ鼠のような姿で電車に離れない。
歩いて帰れる距離でもないし、今日は金曜日、すぐにタクシーを捕まえるのも難しいだろう。
なるべく人の目を避けようと裏道へと入る。
雨はより一層強くなり、冷たい雨が私の頭まで冷やしてくれるようだ。
「翔太……」
私は翔太と…不倫していたのか。
さっきの数分間の出来事を思い起こすが、まだ頭が上手く働かない。
翔太は既婚者だった。
…奥さんと子どもがいる。
私は奥さんがいる人と……1年も付き合っていたのか。
そう思うと目の前が白くなった。
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