獄ノ逸:バケモノと呼ばれて

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獄ノ逸:バケモノと呼ばれて

「ごめんよ、母ちゃんがだから……」 今なら、はっきりと理解出来る。 なぜ母は、わたし達が理不尽な仕打ちを受ける度、そう言ったのか。 だけど、未だに分からない。 なぜわたし達は……悪い事もしてないのに、生きているだけなのに、酷い目に遭わされるのか? 他人(ひと)はわたし達親子を『バケモノ』と呼ぶ。 人間ではないと。 呪われた存在だと。 だから、バケモノだと。 確かにわたし達の見た目は、周りとは随分と異なっていた。 だけど、中身は変わらないはずだ。 わたし達と違って、他人の中身は見えないが。
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