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わたしは十五歳になり、義務教育が終わった。
わたし以外の同級生は、全員高校へ進学するそうだ。
この国では、高等学校までが実質的な義務教育なのだろう。
憲法により、国民には三大義務が課せられている。
教育の義務。
勤労の義務。
そして、納税の義務。
わたしにとって、中学校の卒業は国に見捨てられることと同義だ。
一般社会との隔絶を意味していたから。
残るは、勤労と納税の義務。
わたしを雇ってくれる人間は誰も居なかった。
母が納税しているのかは、聞いたことがない。
尤も、周囲の人間達はわたし達親子を国民として認めていない。
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