獄ノ逸:バケモノと呼ばれて

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わたしは母の反対を押し切り、何度か町役場へ直談判に行った。 わたしにだって、学んでみたい分野があるのだ。 わたしが義務教育を受けているという事実は、国民として国が認めているからではないのか? ならば、その後の進学や職業選択の自由もあるのではないかと。 才能がなく、努力が足りず、夢を諦める者は多いだろう。 だが、そういった者達は、挑戦する権利を持っている。 将来や未来という名の夢を描く自由を持っている。 どうして、わたしにはないのだ? 権利も自由も。 この上、義務さえも奪おうだなんて。 スタートラインにも立たせてもらえないだなんて。
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